相続時精算課税制度の内容とは?税金の計算方法と注意点を解説

2023-08-01

相続

相続時精算課税制度の内容とは?税金の計算方法と注意点を解説

この記事のハイライト
●相続時精算課税制度とは、2,500万円までの贈与が非課税となり、相続時まで税金を先送りできる制度である
●相続税を計算する際は、相続財産と贈与を受けた分を足して計算する
●相続時精算課税制度の注意点は、節税対策にならないケースもあることや贈与された財産が物納に利用できない点である

相続時精算課税制度を利用すれば、贈与税を一時的に非課税とできることをご存じでしょうか。
生前贈与の関心により相続時精算課税制度にも注目が集まっていますが、注意点が多いため利用する前にどのような制度か理解しておくことが大切です。
そこで、相続時精算課税制度とはどのような制度なのか、また計算方法や注意点も解説します。
国分寺市・小平市で相続をご検討中の方や相続予定の方は、ぜひこの記事を確認してみてください。

\お気軽にご相談ください!/

相続時精算課税制度とは?制度の内容と適用対象者について

相続時精算課税制度とは?制度の内容と適用対象者について

まずは、相続時精算課税制度とはどのような制度なのか、また適用対象者についても解説します。

制度の内容

相続時精算課税制度とは「最大2,500万円の贈与分を非課税とするが、相続発生時に贈与した財産を合わせた金額に対して相続税が課される」仕組みです。
つまり、相続時には「相続財産+非課税となった贈与」の金額に対して相続税がかかります。
そのため、この制度は税金を免除する制度ではなく、あくまでも「税金を先送りできる」制度ということになります。
さらにわかりやすく例えると、父が5,000万円の財産をもっていたと仮定しましょう。
このうち子どもに2,000万円を生前に贈与していたとします。
相続時精算課税制度を利用すれば、2,500万円までは非課税となるため、2,000万円に対して贈与税が課されることはありません。
その後に、父は亡くなり相続が発生したとします。
相続財産は、5,000万円から2,000万円を差し引いた3,000万円です。
相続時精算課税制度を利用しているため「3,000万円(相続財産)+2,000万円(贈与非課税分)=5,000万円」で、5,000万円に対して相続税がかかることになります。
このように、贈与分が非課税となりお得そうに見えますが、実際はしっかり課税されていることがわかります。

適用対象者

相続時精算課税制度を利用するには、贈与者と受贈者のそれぞれが以下の要件を満たす必要があります。
贈与者(財産をあげた側)の要件
贈与者側は、贈与をした年の1月1日時点で60歳以上であることが条件となります。
また、父や母もしくは祖父母でなければなりません。
受贈者(財産をもらった側)の要件
受贈者は、贈与を受けた年の1月1日時点で成人していること、かつ贈与者の子や孫であることが条件となっています。
なお、2022年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられているため注意しましょう。

▼この記事も読まれています
売れない土地を相続した場合の対処法とは?所有し続けるリスクも解説

\お気軽にご相談ください!/

相続時精算課税制度を利用した際の税金の計算方法とは

相続時精算課税制度を利用した際の税金の計算方法とは

では、相続時精算課税制度を利用した際にかかる税金(贈与税・相続税)について計算してみましょう。

贈与税の計算方法

相続時精算課税制度を利用した場合は、2,500万円までの贈与は非課税となります。
2,500万円以上の贈与があった場合は、超えた金額に対して一律「20%」の税率がかかります。
たとえば、贈与額が2,800万円であった場合は、「2,800万円-2,500万円(非課税)=300万円」となり、300万円に対して贈与税が課せられるわけです。
そのため、このケースであれば「300万円×20%=60万円」となり、60万円の贈与税がかかることになります。

相続税の計算方法

相続が発生すると相続財産に対して相続税が課せられますが、相続税には相続財産から差し引ける「基礎控除」があります。
この相続財産と贈与の合計額が基礎控除額以下であれば、相続税が課されることはありません。
一方で、相続財産と贈与の合計額が基礎控除を超える場合は、その差額分に対して相続税がかかります。
基礎控除の求め方
基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の計算方法で求めることができます。
たとえば、法定相続人が1人だとすれば「3,000万円+600万円×1人=3,600万円」となります。
つまり、3,600万円までは相続税がかかりません。
一方で、3,600万円を超える場合は相続税が課されるため注意が必要です。
相続税の税率
基礎控除を超えている場合は、相続税が課されますが、相続税の税率は取得した金額により10~55%と設定されています。
相続財産が少ないほど税率も低くなり、多いほど税率は高くなる仕組みです。
また、取得した金額によって控除額も50万円~7,200万円と定められています。
詳細な税率や控除額は、国税庁のホームページにて確認することが可能です。
具体例で相続税を計算
では、実際に具体的な例を出して相続税がどのくらいかかるのかを計算してみましょう。
今回はわかりやすく法定相続人が1人とし、生前贈与として2,000万円、相続時2,000万円の合計4,000万円があるとして相続税を計算します。
まず、基礎控除は法定相続人が1人の場合は、上記で計算したとおり3,600万円となります。
相続税の課税対象となる金額は「4,000万円-3,600万円=400万円」です。
この400万円に対して相続税がかかることになり、税率は10%、控除額0円なため「400万円×10%=40万円」となります。
つまり、このケースであれば40万円の相続税を納付する必要があります。

▼この記事も読まれています
相続前に知っておくべき「負動産」とは?処分方法と相続放棄について解説

\お気軽にご相談ください!/

相続時精算課税制度を利用する際の注意点とは

相続時精算課税制度を利用する際の注意点とは

次に、相続時精算課税制度を利用する際に気を付けたい注意点を解説します。
注意すべき点は以下の3つです。

  • 節税効果があるとは限らない
  • 贈与された財産は相続時の物納に使えない
  • 亡くなる直前に贈与をおこなっている場合

3つの注意点を順にご説明します。

注意点1:節税効果があるとは限らない

相続時精算課税制度は、あくまでも税金を相続時まで先送りできる仕組みであって、免除や減税される制度ではありません。
決して納税の義務がなくなるわけではないため注意しましょう。
ただし、相続税の基礎控除を下回る金額の場合は、相続税が発生しないため節税対策となることがあります。

注意点2:贈与された財産は相続時の物納に使えない

相続税は、現金により一括納付が原則ですが、どうしても支払いが難しい場合は現金に代わって相続した土地などを「物納」として収めることが可能です。
しかし、相続時精算課税制度を利用して生前贈与を受けた財産は、物納として認められないため注意しましょう。

注意点3:亡くなる直前に贈与をおこなっている場合

被相続人が亡くなる3年以内に贈与をおこなっていた場合、その贈与額を相続財産に含めて相続税の計算がされるため注意が必要です。
このことを「生前贈与加算」と言い、令和6年1月1日以降は「亡くなる前7年以内」に変更される予定です。
ただし、3年を超え7年以内に贈与した場合は、その合計金額から100万円が控除されます。
これらを踏まえて、生前贈与をお考えの場合は早めに手続きすることをおすすめします。

▼この記事も読まれています
相続税の取得費加算の特例とは?併用できる特例制度も解説

まとめ

相続時精算課税制度は、一時的ではありますが最大で2,500万円までの贈与を非課税にできる制度です。
しかし、相続発生時には相続財産に加算して計算されるため、節税対策とならない可能性もあります。
ただし、相続財産が相続税の基礎控除を下回る見込みの方は、相続時精算課税制度により節税効果が期待できるでしょう。
国分寺市の不動産売却なら「レディアホーム株式会社」へ。弊社は、住み替え・相続・離婚・空き家・任意売却・税金の相談を得意とし、幅広いご提案が可能です。売却だけではなく、買取も対応しているので、まずはお気軽にお問い合わせください。

ブログ一覧ページへもどる

まずはご相談ください!

042-349-6346

営業時間
9:30〜19:30
定休日
水曜日

関連記事

萩ちゃんの日報

弘中の日報

相続

Les Dearhome

LINEから無料相談

売却査定