相続税の取得費加算の特例とは?併用できる特例制度も解説

2023-06-08

相続税の取得費加算の特例とは?併用できる特例制度も解説

この記事のハイライト
●取得費加算の特例とは、納めた相続税の一部を譲渡所得の計算で必要な取得費に加算できる制度である
●贈与により取得した財産を売却した場合や、夫婦間の相続の場合は、取得費加算の特例が利用できないことがある
●取得費加算の特例は、3,000万円の特別控除など併用できる特例があり、併用により税金の負担を軽減できる

不動産を売却する際は、売却で発生した利益に対して所得税や住民税などが課せられます。
しかし、相続により取得した不動産を売却する際は「取得費加算の特例」が利用でき、税金の負担を軽減することが可能です。
そこで、相続税の取得費加算の特例とはどのような内容なのか、また利用できないケースと併用できる税制度について解説します。
国分寺市・小平市で不動産を相続する予定がある方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

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相続税の取得費加算の特例とは

相続税の取得費加算の特例とは

相続した不動産を売却した場合には、所得税や住民税の税金の負担を軽減できる「取得費加算の特例」が利用できることがあります。
まずは、取得費加算の特例の概要や利用できる要件について解説します。

取得費加算の特例とは

取得費加算の特例とは、相続で取得した不動産を売却した際に、支払った相続税額の一部を譲渡所得の計算に加算できる制度です。
具体的に言えば、譲渡所得の計算で用いる「取得費」に加算することができます。
譲渡所得とは、不動産売却で得た利益のことで、以下の計算式で算出します。
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)
上記の計算式の取得費の部分に支払った相続税額の一部を加算できます。
取得費に加算するメリットは、譲渡所得を減らすことができる点です。
上記の計算式で算出された譲渡所得に対して税金が課せられるため、譲渡所得を減らすことができれば節税対策になります。
ちなみに、譲渡所得に対してかかる税金のことを総称して「譲渡所得税」と呼びますが、実際は所得税・住民税が課せられます。

取得費加算の特例の要件

取得費加算の特例は節税対策になりますが、誰でも利用できるわけではありません。
特例を受けるためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
要件1:相続や遺贈により財産を取得していること
1つ目の要件は、亡くなった被相続人からの相続や遺贈によって取得した財産であることです。
遺贈とは、遺言書の指定により無償で財産を引き継ぐことで、相続人以外の方でも財産を相続することができます。
そのため、相続でなく遺贈により取得した財産を売却した場合でも、ほかの要件を満たせばこの特例を受けることが可能です。
要件2:相続財産を取得した際に相続税を納めていること
2つ目の要件は、相続により財産を取得した際に相続税を納めていることです。
相続税を支払っていない場合は、この特例は対象外となるため注意しましょう。
要件3:相続開始から3年10か月以内に売却していること
3つ目の要件は、相続開始から3年10か月以内に売却していることです。
そもそも取得費加算の特例は、短期間で相続税と譲渡所得税(所得税・住民税)を納める方への税負担の軽減を目的としています。
そのため、相続財産の所有期間が長いと、自分で利益を得ていると考えられるため期限が設けられています。

取得費に加算する相続税額の計算方法

取得費に加算する相続税額は、以下の計算式で求めることができます。
取得費に加算できる相続税額=相続税額×不動産の課税価格/(相続した全体の課税価格+債務控除)
上記の計算式で算出された金額を譲渡所得を計算する際の取得費に加算することができます。

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相続税の取得費加算の特例が利用できないケースとは

相続税の取得費加算の特例が利用できないケースとは

取得費加算の特例は、利用できないケースもあるため注意が必要です。
特例が利用できないケースは「贈与によって取得した場合」と「夫婦間の相続である場合」です。
それぞれのケースをご説明します。

①贈与によって取得した場合

取得費加算の特例が適用されない1つ目のケースは、贈与によって取得した財産を売却した場合です。
前述したとおり、取得費加算特例が適用されるのは、相続と遺贈です。
そのため、贈与により取得した財産については原則としてこの特例を利用することはできません。
ただし、次のように例外があります。
それは「相続時精算課税制度」「3年以内加算制度」を利用したことにより相続税の課税対象となった場合は、この特例を利用することができることです。
相続時精算課税制度とは、最大で2,500万円までの贈与が非課税となり、相続が発生した際に非課税となった贈与分も相続税の課税対象となる制度です。
注意点として、税金が免除されるわけではなく、あくまでも課税を相続時まで先送りしていることになります。
3年以内加算制度とは、贈与を受けてから被相続人が3年以内に亡くなった場合、贈与自体がなかったものとみなされ、贈与分も相続財産として加算される制度です。
これらの制度を用いると、贈与であっても取得費加算の特例が適用できます。

②夫婦間の相続である場合

夫婦間で相続した場合、取得費加算が適用できないことがあります。
配偶者が相続をした場合、相続税の軽減税率が適用され相続税を支払わずに財産を取得できる可能性が高いからです。
配偶者で利用できる軽減税率の内容は、1億6,000万円または配偶者の法定相続分相当額までは非課税となるため、多くの方が相続税の対象となりません。
前述したとおり、取得費加算の特例が利用できるのは相続税を納めた方なので、相続税がかからない場合は対象外となります。

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相続税の取得費加算の特例と併用可能な特例とは

相続税の取得費加算の特例と併用可能な特例とは

取得費加算の特例は、併用できる特例制度があります。
併用すれば、より節税効果が期待できるため、ぜひ併用できるものはチェックしておきましょう。
併用可能な特例は以下の3つです。

  • マイホームを売却する場合の3,000万円特別控除
  • マイホームの買い換えの特例
  • 小規模宅地特例

それぞれの併用できる制度について解説します。

①マイホームを売却する場合の3,000万円特別控除

マイホームを売却した場合に一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大で3,000万円控除できる特例です。
取得費加算の特例と併用すれば、譲渡所得税(所得税・住民税)を大きく抑えることができます。

②マイホームの買い換えの特例

マイホームの買い換えにより売却した場合、譲渡所得税が先送りされる特例です。
ただし、税金が免除されたわけではないため、買い換えた住宅を売却した際に譲渡所得税が発生することになります。
この特例も取得費加算の特例と併用することが可能です。

③小規模宅地特例

相続税を計算する際に、小規模宅地特例を利用した土地を売却した場合は取得費加算の特例を利用することができます。
小規模宅地特例とは、被相続人が住んでいた自宅などを売却した際に、一定面積までについて相続税の課税価格を減額できる特例です。
両方の特例を併用すれば、大幅に税金の負担を減らすことができます。
ただし、利用条件などが複雑なため利用する場合はタイミングなどに注意しましょう。

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まとめ

取得費加算の特例は、相続税と譲渡所得税(所得税・住民税)の両方を納める方への税負担の軽減を目的としている制度です。
相続や遺贈によるものや相続税の納税者であることなど、要件は満たす必要がありますが大幅な節税が期待できます。
ただし特例を利用するには、相続開始から3年10か月以内に売却する必要があるため、相続後に売却を検討している場合は早めに準備を進めましょう。
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